君が恋に落ちるまで。




その優しさに、溺れてしまう。




「 ・・・・ゆ、や・・・さんっ・・・・ 」




どうしよう。




あたしはきっと、甘えてしまう。
それを分かっていて、”好き”だと
伝えるのは間違ってる。





苦しくて、辛くて、誰も居なくて、
怖くて、不安で。





ボロボロと零れていく涙を
袖で拭いながら、助けを求めるように
片手を真っ暗な空へと伸ばした。












「 ・・・帰ろう、瑞穂ちゃん 」





伸ばした手を包む大きな手。
優しいその声に、ぐっ、と
また涙がこみ上げてきた。








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