君が恋に落ちるまで。
「 瑞穂ちゃん、お疲れ様 」
「 ・・・悠也さんこそ 」
あれから二ヶ月と少し。
お互いの都合さえ合えば
会っているあたし達は
まるで恋人だった。
「 明日の予定は? 」
「 え・・・別にないですよ 」
「 本当? 」
”本当ですよ”と笑って返すと
彼も一緒になって笑って、
運転席に乗り込んできた。
「 瑞穂ちゃんは忘れっぽいから 」
「 だから、何ですか! 」
「 つい確認しちゃうんだよ 」
「 ・・・・もう! 」
相変わらずあたしで遊ぶ彼は
子どものように無邪気に笑って、
だけどハンドルを握るその姿は
大人そのものだった。