君が恋に落ちるまで。
「 ・・・じゃあ 」
「 うん? 」
悠也さんはきっと知らない。
あの日からあたしの頭の中は
悠也さんでいっぱいで、
タイミングをつかめずに
ずるずると二ヶ月も経ってしまって、
あたしがすごく後悔してることを。
「 明日、決めちゃいましょう? 」
「 瑞穂ちゃんらしいね。
明日は早く上がる予定だから
裏門の方で待ってるね 」
「 ・・・裏門? 」
いつもは校門前なのに、と
あたしが首を傾げていると
ふっ、と何度目なのか小さく
悠也さんは笑って、
「 卒業式で親御さんがたくさん来るし、
写真撮影なんかで混むからね? 」
卒業式、かぁ。
高校生活も長かった学生生活も、
なんだかあっという間に感じられる。