君が恋に落ちるまで。




カウンターの端に座ると
茶髪の若いバーテンダーが
あたしの目の前に来て、




「 初めて? 」




そう言って首を傾げた。
薄暗い店内にはあたしと
もう二人ほどお客さんが居た。




癖でつい頬杖をついてしまいながらも
小さく頷いてみせると、彼はふっと笑った。




「 どんな気分? 」


「 スッキリしたい・・ 」


「 少し強めのものにしようか 」




バーテンダーはもっと堅いイメージが
あったけど、彼はそうじゃなく
自然とあたしのペースに
合わせてくれていた。




「 ・・・弱いの 」


「 え? 」


「 あたし、弱いから・・・ 」




正直、お酒は初めてだった。
最初から強いお酒を飲んだりしたら
・・・・・後が怖い。






< 24 / 245 >

この作品をシェア

pagetop