君が恋に落ちるまで。
「 ・・・・え・・? 」
突き返されたソレを
ただ呆然と見ている間に
彼女は去っていった。
開けて差し出したリングケースは
きちんと閉めて返ってきた。
何かの冗談やドッキリなら
中に指輪はないはず、だ。
「 ・・・・なわけ、ないか 」
彼女が冗談を言えるような
人じゃないことは知っていた。
ひたすら真面目で、純粋で。
付き合って二年目を迎えた今日、
彼女は泣きながら
「 ・・・分からない 」
俺にそう言った。