君が恋に落ちるまで。
「 藤咲!何してんの? 」
「 ・・・柏木くん・・! 」
目の前に居た男の子は
彼が来るなり走って
校舎内へ戻っていった。
柏木くんは走っていく
彼の後姿を見て
”邪魔しちゃった?”と
心配そうにしていた。
「 そんなことないよ 」
「 ・・・ふーん・・ 」
「 どうしたの? 」
あたしの数歩前を歩く柏木くんが
立ち止まって、振り返って、
「 告られてたくせに 」
そう言った。
「 ・・・好きな奴、いんの? 」
いつもは、へらっと笑う彼が
真剣な目であたしを見るから
ジワジワと、顔に熱が上がってきた。