君が恋に落ちるまで。
愛しそうに時計を見つめながら
でもどこが吹っ切れたように
飲み続ける彼女が、
今の自分に見えた。
「 瑞穂ちゃん、そろそろ
ペース落とした方がいいんじゃない? 」
グラスに残っているのは
あと一口ほどだけど、
それを飲むか飲まないかで
大分変わってくる気がする。
”そうですね”と
彼女は最後の一口を
グイッ、と飲んで、
────────────ガタンッ
「 瑞穂ちゃん!? 」
「 潰れちゃったか・・ 」
グラスを置いた彼女の身体が
グラついて、俺の肩へと
倒れこんできた。