君が恋に落ちるまで。








悠也さんがあたしを抱きしめて、
あたしの名前を呼ぶ。




耳にかかる熱い吐息に
もう何も考えられなくなっていた。











「 ・・・・・・け、い・・・ 」






その瞬間、霞んだ視界に見えたのは
悲しそうに笑う悠也さんだった。






「 ・・・・いいよ、それで 」






悠也さんの手が、視界を遮って
”これは、夢だよ”そう言った
声が震えているような気がした。










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