君が恋に落ちるまで。




目を瞑り、小さく寝息をたてる
彼女の髪に触れながら、
自分が酷く惨めに感じた。




きっと、彼女はまだ好きなのだろう。




傷を抉るようなことを
してしまった。




俺とは違って、彼女はきっと
心から優しく、温かい。
その分傷は深く、俺が触れるたびに
痛むだろう。








「 ・・・・ごめんね 」






酷いことをしてしまった。
だけどきっと、これで彼女は
もう俺には会えないだろう。






忘れられない彼を思うたび
俺を思い出し、傷つき、自分を責め、
そしてもう、俺には会わなくなる。






< 64 / 245 >

この作品をシェア

pagetop