君が恋に落ちるまで。




昨日まで二年間付き合っていた彼女は
どうしているだろう。




結局指輪はあのままグラスの中に
置いてきた。




昨日の今日で。








本当に俺は冷めた人間だな、と
再度溜息と煙を同時に吐き出した。






フラれたのは俺も彼女も同じだろう。
だがその時点で俺はどこか
吹っ切れていて、あの子のように
彼女の名前を呼ぶことをしない。







俺はどうなっているんだ。







灰皿に煙草を押し付けながら
見上げた空は、曇っていた。








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