君が恋に落ちるまで。




「 ・・・聞いても、いいかな 」


「 なんですか? 」




重苦しい空気の中
向かい側に座った悠也さんが
ふと視線を落とした。









「 ・・・慧くん、って言うのは
  瑞穂ちゃんの彼氏? 」









体が強張って、息がつまった。
なんとか頷いて返事をしたけど
相変わらず、どこかで声がつまって
言葉にはならなかった。





「 どれくらい付き合ってたの? 」


「 ・・・・・っ 」





傷を抉られる痛み。
だけど、答えないと、と
”一年と半年”だと言えば
彼は目を丸くしていた。






< 73 / 245 >

この作品をシェア

pagetop