君が恋に落ちるまで。
車から降りて、部屋へ向かう。
ついさっき彼女とここを歩き
そして、この部屋で何度も
キスを交わした。
介抱をして、家に帰す。
それだけのつもりが、
───────────────慧・・・好き・・・
閉じた目、長い睫。
ただ、彼女があまりにも
綺麗だったから、その相手に
つい嫉妬してしまった。
そういう、言い方もあるだろう。
都合のいい言い訳だな、と苦笑しながら
玄関のドアを開けて、自然と足は
寝室へと向かっていた。