【短篇】鬼ごっこ
「では、聞きますが。その手にしてるものはなんでしょうねぇ?」


ニヤニヤしながらショウセイは孝平に聞く。


「こ…これは…。」


「言えませんかぁ??その手に握るものが。」


ショウセイは、小さい子を扱うかのように孝平に聞く。


孝平は凶器を握りしめ、歯を食いしばる。


その様子を、楽しむようにショウセイは見ている。


「ふぅ~。まったく貴方の様なお立場の方が人を―…。嘆かわしい限りです。一体、何故こんなことになってしまったんでしょうねぇ??」


ショウセイは、声を低くして、本当に…。と付けたした。


孝平はショウセイに追い詰められている。


孝平自信、敗北感のようなものを感じていた。


額からは、汗が流れる。

「孝平さん??」


「俺は…妻を…愛していたんだぁ!!だから、だから!!あいつが…。」


悲鳴に近いような声で孝平は叫んだ。


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