【短篇】鬼ごっこ
「あちゃ~。愛していたんですかぁ??」


馬鹿にするようにショウセイは言った。


「なんだ!!その態度は!!」


「だって、笑っちゃいますよ。愛していないのに愛しているだなんて。孝平さんは本当に可哀相なお方だ…。」


ショウセイはのどを鳴らしながら笑う。


「仕方ないですね。私が教えてあげましょう。貴方の愛はただの虚構。装飾品としか見ていないのですよ。」


ショウセイは、孝平を真っ直ぐ見つめ言った。


「いやぁ。本当に、驚きだ。普段は、貴方が追う者に貴方自身がなるなんて。」


ショウセイは、落ちたものですね。とくすりと笑って孝平を見た。


その目が、孝平を惨めにしていく。


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