ヒコーキ雲に乗って
プロローグ
初めて抱き締められた時、肩越しに見た景色を今でも覚えてる。

嬉しすぎて涙が出てしまった事、バレない様にずっとその景色だけを見つめていたから。

心臓がつぶれそうなぐらいにドキドキしてる事、伝わったらどうしようって心配だったけど、耳をあてた胸の鼓動が同じぐらいドキドキしててやけに安心したっけ。

自分の体が“好き”という感情に支配されていくのを感じた。

そこにあったのは、ただ目の前にいるその人が“好き”という想いだけだった。

その想いを、私は何度口に出す事が出来たのだろう。

言葉では言い尽くせないと思っていたあの感情を、何年経っても色褪せないこの感情を、“好き”という二文字の感情を、もっともっとあなたに伝えたかった。











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