ヒコーキ雲に乗って
④
心待ちにし続けた一大行事が終わってしまうと、私の夏休みはいつもと変わらない毎日で埋め尽くされていた。
バイトをしたり、買い物をしたり、友達とご飯を食べに行ったり。
だけど、去年の夏休みとは確実に違っている事がひとつだけあった。
何をしている時も、陽介の事が頭から離れなかった。
陽介は今何をしてるんだろう。
もしかして他の女の子と遊んでたりしたらどうしよう。
彼氏がいる時でさえ抱いた事のない感情が、四六時中私の頭の中を、心を支配していた。
そんな状態であっても、まだ自分の気持ちを何とかごまかそうとしていたのは自分への誓いの事もあったが、それ以上に傷つくのが怖かったからだと思う。
陽介にとって自分が、ただの仲間の一人でしかない事がわかっているのに好きになったって辛い想いをするだけだ。
キャンプ以来、そんな事ばかりを考える日が続いていたある日、突然陽介からメールが入って来た。
慌てて本文を確認してみる。
「荻原ゼミの皆さん!暑い熱い夏休みをお過ごしですかー?キャンプも終わって腑抜けみたいになってませんかー?つーわけで、来週水曜日飲み会開催します!飲んだ後は、みんなで鴨川で花火!参加、不参加を近日中に僕までメール下さい。」
読み終えた後、可笑しさと嬉しさで笑いが込み上げて来た。
キャンプ以来、陽介に会える事が嬉しくて、何だかくすぐったい気持ちでいっぱいになった。
たった二週間ほど会っていないだけなのに、何がこんなに嬉しいんだか、と自分で自分に突っ込んでみるが、どうやってもおさまらないニヤケ面が鏡に映るたびに可笑しくて、また笑ってしまう。
こんなにも誰かに会える事を楽しみに思うのはいつぶりだろう。
バイトをしたり、買い物をしたり、友達とご飯を食べに行ったり。
だけど、去年の夏休みとは確実に違っている事がひとつだけあった。
何をしている時も、陽介の事が頭から離れなかった。
陽介は今何をしてるんだろう。
もしかして他の女の子と遊んでたりしたらどうしよう。
彼氏がいる時でさえ抱いた事のない感情が、四六時中私の頭の中を、心を支配していた。
そんな状態であっても、まだ自分の気持ちを何とかごまかそうとしていたのは自分への誓いの事もあったが、それ以上に傷つくのが怖かったからだと思う。
陽介にとって自分が、ただの仲間の一人でしかない事がわかっているのに好きになったって辛い想いをするだけだ。
キャンプ以来、そんな事ばかりを考える日が続いていたある日、突然陽介からメールが入って来た。
慌てて本文を確認してみる。
「荻原ゼミの皆さん!暑い熱い夏休みをお過ごしですかー?キャンプも終わって腑抜けみたいになってませんかー?つーわけで、来週水曜日飲み会開催します!飲んだ後は、みんなで鴨川で花火!参加、不参加を近日中に僕までメール下さい。」
読み終えた後、可笑しさと嬉しさで笑いが込み上げて来た。
キャンプ以来、陽介に会える事が嬉しくて、何だかくすぐったい気持ちでいっぱいになった。
たった二週間ほど会っていないだけなのに、何がこんなに嬉しいんだか、と自分で自分に突っ込んでみるが、どうやってもおさまらないニヤケ面が鏡に映るたびに可笑しくて、また笑ってしまう。
こんなにも誰かに会える事を楽しみに思うのはいつぶりだろう。