ヒコーキ雲に乗って
「香澄さ、夢ってある?」
しばらく沈黙のキャッチボールが続いた後、突然陽介が切り出した。
-夢。
夢ならたくさんある。
でもどれも中途半端な想いでしかない。
本当に心から叶えたいと思い続けている夢は一つだけだ。
「…あるよ。」
少し間を空けてそう答えた。
「どんな夢?」
「…内緒。」
「なんやそれ。隠されると気になるなぁ。」
笑いながらキャッチボールが続いて行く。
「陽介の夢は何?」
初春の陽気と真っ黒なリクルートスーツのせいで軽く汗ばんできたおでこを拭いながら尋ねた。
「お前汗かいてるやん。ちょっと休憩するか?」
「ううん、大丈夫。続けよう。」
どこかに座って隣同士で話をするよりも、こうして適度な距離を空けたまま向かい合って話す方が、素直になれる気がした。
「俺の夢はー」
陽介がゆっくりと口を開く。
「世界中の人の笑顔に会いに行く事。」
あまりにも漠然とした内容だが、どうやら陽介の語り口調からして本気らしい。
「それって具体的にどうゆう事?」
陽介が普通の人よりもでっかい野望や夢を抱いている様な気は何となくはしていたが、その夢をどうゆう風にして形にしていくのか、卒業後、どこへ向かおうとしているのかが気になった。
すると、陽介はフッと笑って、
「内緒。」
と言ったのだった。
しばらく沈黙のキャッチボールが続いた後、突然陽介が切り出した。
-夢。
夢ならたくさんある。
でもどれも中途半端な想いでしかない。
本当に心から叶えたいと思い続けている夢は一つだけだ。
「…あるよ。」
少し間を空けてそう答えた。
「どんな夢?」
「…内緒。」
「なんやそれ。隠されると気になるなぁ。」
笑いながらキャッチボールが続いて行く。
「陽介の夢は何?」
初春の陽気と真っ黒なリクルートスーツのせいで軽く汗ばんできたおでこを拭いながら尋ねた。
「お前汗かいてるやん。ちょっと休憩するか?」
「ううん、大丈夫。続けよう。」
どこかに座って隣同士で話をするよりも、こうして適度な距離を空けたまま向かい合って話す方が、素直になれる気がした。
「俺の夢はー」
陽介がゆっくりと口を開く。
「世界中の人の笑顔に会いに行く事。」
あまりにも漠然とした内容だが、どうやら陽介の語り口調からして本気らしい。
「それって具体的にどうゆう事?」
陽介が普通の人よりもでっかい野望や夢を抱いている様な気は何となくはしていたが、その夢をどうゆう風にして形にしていくのか、卒業後、どこへ向かおうとしているのかが気になった。
すると、陽介はフッと笑って、
「内緒。」
と言ったのだった。