ヒコーキ雲に乗って
「俺がこの1年ちょっとで見て来た水沢香澄は、マイペースで写真を撮るのが好きで、しっかりしてる様でどっか抜けてて、クールそうに見えていつもさりげなく周りに気を遣えるいい奴で。」
じっと目を見たまま、真面目な顔で誉めてくれるもんだから、思わず顔が赤くなってしまっていたらしい私を見て、
「男の扱い慣れてそうに見えるのに、ちょっとした事で赤くなったり緊張したりするし。」
と笑って言いながら、ようやく目線を川岸の方へと変えてくれた。
それは相手があんたの時だけだよ。と心の中で思わず突っ込む。
どう返せばいいかわからないまま、ただ黙っている事しか出来なかった。
時々、人と人とがテレパシーで会話出来ればいいのにと心底思う。
うまく言葉に言い表せないこの気持ちを、陽介に伝えられる術があればいいのに。
今、陽介が何を考えているのか言葉なんかなくても伝わってくればいいのに。
「私の…」
無意識に声に出ていた。
「私の陽介に対する印象は最初も今も変わってへんよ。」
本当はテレパシーで伝えたい想いを、そんな能力が人間には備わっていない事をわかっている私は、仕方なく言葉にして想いを陽介に伝える。
「お、それ興味あるな。香澄の俺に対する印象てどんなん?」
陽介みたいに人の目を見ながら話す勇気の無い私は、ただじっと前を見つめたまま話し始める。
「太陽みたいに大きくて熱くて真っ直ぐな人。それが橘陽介。」
-それが私の大好きな人。
伝えてはいけない想いを、心の中で何度も何度も繰り返していた。
じっと目を見たまま、真面目な顔で誉めてくれるもんだから、思わず顔が赤くなってしまっていたらしい私を見て、
「男の扱い慣れてそうに見えるのに、ちょっとした事で赤くなったり緊張したりするし。」
と笑って言いながら、ようやく目線を川岸の方へと変えてくれた。
それは相手があんたの時だけだよ。と心の中で思わず突っ込む。
どう返せばいいかわからないまま、ただ黙っている事しか出来なかった。
時々、人と人とがテレパシーで会話出来ればいいのにと心底思う。
うまく言葉に言い表せないこの気持ちを、陽介に伝えられる術があればいいのに。
今、陽介が何を考えているのか言葉なんかなくても伝わってくればいいのに。
「私の…」
無意識に声に出ていた。
「私の陽介に対する印象は最初も今も変わってへんよ。」
本当はテレパシーで伝えたい想いを、そんな能力が人間には備わっていない事をわかっている私は、仕方なく言葉にして想いを陽介に伝える。
「お、それ興味あるな。香澄の俺に対する印象てどんなん?」
陽介みたいに人の目を見ながら話す勇気の無い私は、ただじっと前を見つめたまま話し始める。
「太陽みたいに大きくて熱くて真っ直ぐな人。それが橘陽介。」
-それが私の大好きな人。
伝えてはいけない想いを、心の中で何度も何度も繰り返していた。