ヒコーキ雲に乗って
私の言葉を聞いた後、陽介は何も言わずただ黙り込んでいた。


あまりの長い沈黙に耐え切れず、怖くなった私は、ゆっくりと隣りに目をやった。


陽介は、短い髪の毛をぐしゃぐしゃといじりながら地面を見つめるように俯いている。


その様子が、まるで落ち込んでいる様に見えたので、もしかして無意識に何か傷付けるような事を言ってしまったのではないかと心配になり、慌てて口を開いた。


「ごめん陽介。あたし何か変な事言った??」


すると陽介は、うなだれていた首を持ち上げ、今まで見た事ないぐらいに困り果てた表情で囁くように言った。


「お前、ズルイわ。」












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