地味なあの子は鬼狩り少女2 〜千年霊樹の後継者〜
ふぃー、と額の汗を拭うあたしをしばらく見た神無ちゃんは、
「…………琥珀ちゃん、」
静かな声で、
あたしに何かを言おうとした。
でもその瞬間、その声色と表情で
あたしに何を話そうとしてるか
分かってしまった。
きっと神無ちゃんは、泣いて走り去ったあたしが心配で。
それで部屋まで来てくれたんだ。
………………だから。
「大丈夫だよ」
その心配を払拭するために、
私はあえて先手を打ち、
神無ちゃんの言葉を遮った。
「一晩寝て、たっくさん泣いて、ちゃんと考えて。
あたしなりの答え、見つけたよ」
言って、神無ちゃんを見る。
……布団に寝転がる神無ちゃんの目は真剣そのもので。