旅立ち
嘘
(きっと一目惚れなんて気のせい
かっこよかったから目が着いただけ
山下クンのことなんて何も知らないし
好きになるはずがないんだ)
家についてから
ひたすらそう言い聞かせた
関わらなければ
もう好きになることもない
(あたしは悠の幸せを想ってるよ)
ほら、
自分に言い聞かせてたら
雨も止んできたよ
長い長い、夜の始まり
春の生ぬるい風が吹く
晴れ渡った春の夜空とは裏腹に
私の心の中は
氷つくような
冷たい風が肌を突き刺す
真っ暗闇の空
冬の空と違うのは
冬なら光輝くはずの星が
私の心には1つもなくて
綺麗に澄んでいるはずの空気が
濁った息苦しい汚い空気だってこと