旅立ち



「悠、
今はそんなこと考えないほうが
いいんじゃない?
恋なんてそんなもんだし、
もしかしたらそれが悠の可能性だってある

…もしどうしても真相が知りたくなったら
いつでも協力するから
あんまり沈まないでね」




長い沈黙を切ったのはあたしだった



悠はゆっくり頷くと

“ありがとう”

と呟いた



今ショックを受けている悠の
憂いに満ちたその顔は
皮肉にも
秋の夕日のように実に綺麗だった




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