三毛猫レクイエム。


「あき……っ」

 あふれ出る涙が、枯れることなんてない。

 涙が枯れたら、前を向いていけって言ったけど、私はあきのことを思うたびにあふれる涙を確認しては、まだあきのことを想っていてもいいんだと思い直すんだ。


 忘れたくなんかない。
 もしかしたら、一生想い続けるかもしれない。

 世界中の誰もがあきのことを忘れたとしても、私はあきのことを忘れない。
 あきの笑顔も、声も、仕草も、全部、忘れない。


 声を殺して、あきの名を呼びながら泣く私を、あきと同じ色の瞳が見つめていた。

















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