三毛猫レクイエム。
第十章
魂の、向こう側
私は、滝沢家に足を運んだ。
今回のことでおばさんや明菜ちゃん達が、きっと嫌な思いをしているはずだから。それを、謝りたいと思った。
呼び鈴を鳴らしてしばらく待つと、おばさんが顔を出した。私は深く頭を下げた。
「あら、真子ちゃん」
「こんにちは。お話があってきました」
おばさんは、あきとそっくりな笑顔で、
「こんなところじゃあれだから、入って」
私を招き入れてくれた。私はおばさんに続いて、リビングに落ち着いた。
「真子ちゃん、大丈夫?元気がないみたいだけど……」
おばさんが、心配そうに私の顔を覗き込む。私は、頭を下げた。
「真子ちゃん?」
「今回は、お騒がせしてすみませんでした」
「真子ちゃん、やだ、頭を上げて」
おばさんが慌てて私の頭を上げさせる。私は目を伏せたまま、続けた。
「ヒロは、何も悪くないんです。だから……」
「真子ちゃん、何言ってるの?」
おばさんは困惑したように、
「あの週刊誌なら、私も読んだけど、あんなの気にするものじゃないのよ」
そう言う。その言葉に、私は唇を噛んだ。
「あきを……忘れられないから」
「真子ちゃん……」
「私は、今でもあきのことが好きで、好きで、仕方ないから……」
おばさんが、私の手を取った。
「真子ちゃん、私はね、真子ちゃんに幸せになってもらいたいの」
「おばさん……」
おばさんの優しい笑顔が、あきと重なって見えた。
「私は真子ちゃんのことを娘のように思ってる。だから真子ちゃんには、本当に幸せになって欲しい。明良の分も」
あきの分も。
その言葉に、私は涙を流した。
今回のことでおばさんや明菜ちゃん達が、きっと嫌な思いをしているはずだから。それを、謝りたいと思った。
呼び鈴を鳴らしてしばらく待つと、おばさんが顔を出した。私は深く頭を下げた。
「あら、真子ちゃん」
「こんにちは。お話があってきました」
おばさんは、あきとそっくりな笑顔で、
「こんなところじゃあれだから、入って」
私を招き入れてくれた。私はおばさんに続いて、リビングに落ち着いた。
「真子ちゃん、大丈夫?元気がないみたいだけど……」
おばさんが、心配そうに私の顔を覗き込む。私は、頭を下げた。
「真子ちゃん?」
「今回は、お騒がせしてすみませんでした」
「真子ちゃん、やだ、頭を上げて」
おばさんが慌てて私の頭を上げさせる。私は目を伏せたまま、続けた。
「ヒロは、何も悪くないんです。だから……」
「真子ちゃん、何言ってるの?」
おばさんは困惑したように、
「あの週刊誌なら、私も読んだけど、あんなの気にするものじゃないのよ」
そう言う。その言葉に、私は唇を噛んだ。
「あきを……忘れられないから」
「真子ちゃん……」
「私は、今でもあきのことが好きで、好きで、仕方ないから……」
おばさんが、私の手を取った。
「真子ちゃん、私はね、真子ちゃんに幸せになってもらいたいの」
「おばさん……」
おばさんの優しい笑顔が、あきと重なって見えた。
「私は真子ちゃんのことを娘のように思ってる。だから真子ちゃんには、本当に幸せになって欲しい。明良の分も」
あきの分も。
その言葉に、私は涙を流した。