三毛猫レクイエム。
「色恋沙汰があっても、まさか家族に相談しないだろ」
「だよね。でも、今回は何で?」
「突っ込むなぁ……」
困ったように呟くヒロに、私ははっとした。少し、聞きすぎたかもしれない。
「ごめん」
「いや、良いんだ。こっちが恥ずかしいだけだから。叔母さんから見合い話を振られたからさ、好きな人がいるから断るって言ったら、俄然食いついてきて……」
少し赤くなりながら言うヒロに、私は微笑んだ。
「おばさんって生き物は、人の恋話に首を突っ込みたくなる生き物だもんね」
「全くだよ。あの勢いときたら……」
そのときの様子を思い出しているのか、ヒロはしきりに苦笑していた。
そんな他愛もない話をしながら、入場券を買った。
「しかし、花鳥園なんて、良いもんかな?」
「動物園とかに比べたら、静かかもしれないね」
正直、ヒロには悪いけど、つまらないかもしれないと思いながら、中へ入る。と、そこには鳥達の楽園があった。
「わ……」
たかが花、たかが鳥。
「可愛い……っ」
しかし私にもまだ女の子心が残っていたらしく、可愛いものを見て一気にテンションが上がってしまった。
南国の植物に囲まれ、色とりどりの鳥達がいた。
「コンニチハ!」
「きゃっ、しゃべったよ! ヒロ、オウムがしゃべった!」
オウムや九官鳥のしゃべるのを初めて生で見た私は、その声量に驚いた。
「こんなにはっきりしゃべるんだね!」
「本当だな」
ヒロも興味深げに観察している。