三毛猫レクイエム。
「これでいいんじゃないかな」
「あ、可愛いね。それじゃあそれにしよう」
会計を終わらせて、ショップを出たところで、
「はい」
「え?」
ヒロが私に何かを手渡す。
「まあ、記念にってことで」
さっきのショップの包装を開くと、そこにはシルバーのブレスレットが入っていた。
「え、いつのまに?」
「内緒」
ヒロが微笑んで、私の左手首にそのブレスレットをつけてくれた。
「まあ、最初の記念ってところかな?」
「……ありがとう」
私は微笑んで、ヒロの手を握る。
そして私達は花鳥園をあとにした。
駅について、二人で歩いていると、
「真子姉?」
明菜ちゃんの驚いたような声がして、私達は振り返った。ヒロと一緒にいる私を見て、明菜ちゃんは目を丸くした。
「明菜?」
「ごめん、先に帰ってて! またね!」
「わかった。ばいばい」
一緒にいたらしい友達と別れて、明菜ちゃんは私達の方へとやってくる。
「ヒロ君……?」
「明菜ちゃん……」
明菜ちゃんはヒロと私を見比べて、
「え、二人は、どういう……?」
当然の疑問をぶつけた。答えに困っている私をよそに、ヒロは少し照れたように口を開いた。