欠点に願いを

IV






いよいよライブ当日になった。
服装には一週間も前から悩んだけど、動きやすくて比較的ボーイズライクな格好で、足は敢えてスニーカーを合わせた。
今回の会場は渋谷の小さなライブハウスだけど、飛び跳ねてる時にヒールで他の人の足を踏んでしまうというトラブルが、音楽界全体で小さな問題になってるらしい。
アーティストによっては、学校で履くような上履きを推奨してる人までいるそうだ。




会場に到着してウロウロしてると、整列してる人達を見かけた。
一番後ろに並んでた女性に何の列か聞いてみると、チケットの整理番号順に並んでいるという。
その人に整理番号を聞いたら、私の一つ後ろの番号だった。


「DEAR、何で知りました?」

「えーっと、高校合格が決まった日にネットサーフィンしてたらDEARのサイトに行きあたって、”今日から本格始動!”って書いてあったんですよ。で、それがキッカケで聴き始めたんです」

「じゃあ、高校生なんですね! ウチもなんですよ!」





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