欠点に願いを







「では、いきます」


どうやら俺に、もう考える時間は残されてないらしい。
最初に高校生達を潰して、雪と逃げるしかなさそうだ。


俺は、一番手前に立っていた奴の鳩尾に蹴りを入れ、後ろの二人の肩を掴んで頭をぶつけ合わせた。

フラフラしてる高校生達に、さらに蹴りをまとめて喰らわせる。


「雪、逃げるぞ」


俺は雪の腕を引っ張って走り始めた。
角を左に曲がり、その次の角を左に曲がる。

ここは、阿呆を撒くしかない。


時々、後ろを振り返る。
高校生達はめげずに追い掛けてくる。
面倒くさい。
取り敢えず俺は、次の角を右に曲がった。





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