欠点に願いを






何で、こんな面倒な事に巻き込まれたんだろう?
そう考える俺は、もういない。

面倒な事に巻き込まれたから、どうにかして切り抜けよう。
今の俺は、そう考えていた。



角を曲がって50mくらい走ってから、そっと後ろを振り返る。
面倒な高校生達は追い掛けてきていなくて、息も絶え絶えな雪が一緒に走っているだけだった。


「雪、もう良いよ」

「はあっ……、はあっ……。疲れたーーっ!!」


俺と雪は減速して、やがて立ち止まった。
荒い息をしている俺と雪。


「……阿呆共、追い掛けてきてないよ。上手く撒けたみたい。…マジ何なのアイツら」

「……良かっ…た。…一時はどうなるかと……」


まだ荒い息を続けている雪。
普段はこんなに走らないのだろう。


「……さて、走ったら腹も減ったし。今度こそラーメン屋で昼飯にしようか」

「…僕、もうお腹ペコペコだよぅ~……」


そう言って、来た道を戻ろうとした雪に、俺は待ったをかけた。


「雪、そっちは駄目。遠回りして行くぞ」

「何で?」

「どっかで、さっきの高校生達が待ち構えてるかもしれないじゃん。せっかく逃げれたのに、また捕まるのも嫌っしょ」





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