欠点に願いを
「劇の照明について相談してるうちにココは浩太の魅力に気付き、二人はラブラブに! めでたしめでたし、ってなると思ったんだけど」
「確かにその流れなら素敵だが、残念ながら俺もココも雄一の頭ほどはめでたくないと思う」
「…うーん、そうかねぇ?」
本気で考え始める雄一。
「ああ。そして俺は、英語の予習に専念したいんだが」
良い加減に俺の邪魔をするのをやめて欲しい。
どうして雄一がクラスで一番の成績を誇っているのか。俺は雄一と知り合って三年目になるが、未だに理解出来ない。
「…まぁ、ありがとな。ココの事」
俺は電子辞書を見たまま、雄一に呟く。
「大丈夫だよ、分かってるって」
雄一は微笑んで、立ち去っていった。
……頭が切れる事も成績優秀な事も、つくづく意味無く格好良い奴め。
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