欠点に願いを

III

ある日の部活。
いつもの腹筋背筋・柔軟運動と発声練習の後。
役割毎に分かれて、照明やら音響やら小道具やらの演出を相談する事になった。

「演技には発声の為の腹式呼吸と、体を動かす柔軟性が必要」って事で、演劇部では腹筋と背筋と柔軟運動が毎回のメニューになっている。


「スポットを含む照明部は、浩太を中心に話し合ってな」


……いつのまにか俺、照明部のリーダーみたくなってるし。
まぁ、仕方無いのか。照明部じゃ俺だけが三年生だから。
むしろ、ココに良い所を見せるチャンスなのかも。




照明部が全員集まったのを確認してから、俺は台本に目を落としたまま言った。
……本当は悪いって分かってるつもりだけど、俺はこうするしかないの。


「じゃあ始めるか。宜しくお願いします」

「宜しくお願いしまーす！」

「じゃあまず、最初の学校の場面だけど、どんなのが良いと思う？ 自由にアイデア出してこ」






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