欠点に願いを
デジタルな感じのベルと同時に、お客様が入ってくる。
「いらっしゃいませー!」
お客様に声をかけてから、品出しに戻る。
サンドイッチの消費期限を確認しながら、棚に並べた。
サンドイッチの入った籠が空になる頃、一人の男性が店内に入ってきたが、あたしは気付かなかった。
「……すみませーん」
「はい?」
お揃いのジャンパーを着て、【おぎわら】の写真付き名札を付けたあたしは、声をかけてきた男性を見た。
色素薄めな金色の髪は肩にかかっていて、どっかで見たかもしれない優しそうな顔。
その男性は、あたしの顔をまじまじと見て、名札を確認して、またあたしの顔を見た。
「…お客様、どうかされました?」
「……悠?」
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