欠点に願いを






「健人?」


振り向いた健人は、途端に明るい表情になった。


「悠ぁ、待ったよぉ。バイト終わった?」

「うん、終わった終わった」


ニコニコしている健人。
……渋谷にいる秋田犬(ハ○公)か。


「悠、この後ヒマ?」

「え? うん」


そう答えたのは失敗だった。
健人はニコニコしたまま、あたしの手を握る。


「じゃあ、ファミレスに行こう!」


そのまま、歩き出す健人。


「ちょ! あたしに拒否権は?」

「無いよ! 色々と語ろうね」


まるでガールズトークのテンションで、あたしは健人に連行された。





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