欠点に願いを

IV






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一学期の期末試験が終わって、開放感に溢れた放課後。
学校の近くの公園で、あたしは健人と一緒にダラダラしてた。


「前から思ってたんだけど。男子って得だよね」


あたしは一緒にアイスキャンディーをかじってた健人にぼやいた。


「何で?」

「だってさ、女子は可愛くなきゃいけないとか女子力磨かなきゃとか、本当に面倒だもん。清純なのがモテたりすっけど、女子だって意外とエロいの好きだし」

「そんなもん?」

「そうだよ。いつだって女子は男子の理想を押し付けられてる。それに比べりゃ男子は、太ってても怖い顔でもモテるし、オタク趣味でも尊重されたりするじゃん」

「そんな事ねぇよ」


珍しく健人が苛立ってるようなので、あたしは思わず健人の顔を見た。


「性格に表裏が無くて、誰でも気さくに話してくれて、人の趣味の話を楽しげに聞いてくれる、飾らない悠が俺は好きだけどね」





ーーーー時が止まった、気がした。

……思わずアイスキャンディーを落としてしまった。


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