欠点に願いを





やがて、チャリチャリっと金属音がして、首に冷たい物がかかった。
そんなに重たい物じゃない。ペンダントか何か?


そのまま両肩を掴まれる。

唇に、少しカサついてるけど柔らかい、温かい何かが押し付けられた。


……何だろう?

そっと薄目を開ける。
目の前に健人の顔のドアップがあった。


…………キス、されたんだ。


健人が唇を離し、澄んだ目であたしを見つめる。


「…好きだよ、悠」


凄くドキドキする。


「……あたしも好き、健人」


健人が微笑んで、あたしの頭を撫でてくれた。



「そのペンダント、プレゼント。ずっと着けてて」


ペンダントは金の鎖に、銀のHのモチーフと、モチーフの下に揺れる音符のチャームが付いていた。



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