タカラモノ
「みなさん入学おめでとう。今から入学式なので式専用ホールに向かってください。
へぇ…。さすがはお嬢様学校。式専用ホールだなんて。
式専用ホールにつくとなんだか緊張してきた。
パーティの時以上に緊張する。
新入生代表挨拶噛まないようにがんばろう。
式が始まってからはいったい何人挨拶するんだって言うくらい来賓挨拶が続いて、とうとう新入生代表挨拶の番がやってきた。
「私はトップ…絶対に大丈夫。」
心を落ち着かせ深呼吸を繰り返した。
「新入生代表 大久保夏実。」
「はい。」
きりっとした顔をみせ、大久保の顔になった。私は大久保という肩がけを背負っているんだから1分1秒も気が抜けない。
「桜がきれいに微笑みかけるこのよき日、
わたくし達新入生430名のためにこのような盛大な入学式をとり行っていただきまことにありがとうございます…… 新入生代表 大久保夏実。」
一礼し自分の席に戻った。
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