タカラモノ
私が人形?どういうこと?
いろいろ考えているうちに家に着いた。
「あ、家ここだから。」
「あ、おう。じゃまた明日。」
「うん、また明日。」
がちゃ…重いドアを開け家の中に入った。
「お帰りなさいませ。夏実お嬢様。」
「…ただいま。」
「お嬢様?なんだかお疲れのようですね。マッサージでもしましょうか?」
「いや。いい。」
まったく過保護だ。
私は四六時中気を張っているから、私の部屋と朝はお手伝いとかシェフとかにも来ないようにしてある。
「はぁ…。」
自分のベットに倒れこんだ。
「遠藤 舜……人形…。」
私、そんな風に見えたのかなぁ?
だめだそんなんじゃ、もっと大久保財閥の社長令嬢らしく、完璧にならないと。
もっと…もっと…もっと…完璧な人間に。
ピリリリ、ピリリリ、ピリリリ…
「いった…」
今日はやけに具合が悪い。頭痛がひどいし、体が重い。
でも、学校は休むわけにはいかない。
< 6 / 7 >

この作品をシェア

pagetop