はじまり
「てか…次移動やない!?科学の先生ウザイから早く行こう」
やこの言葉に教科書を持って私たちは急いだ。
科学室は、2年生の階にある為よく2年生の先輩に目をつけられる子が多かった。そのため、スカートを必死で下げながら急いだ。
「えみ、みか早く」
「やこはやいよ…」みかが私の後ろで追いつこうと急いでいた。
「やこ…えみ…待って…」
科学室まであと少しの所で、みかが私たちを止める。
「どうしたん?」不思議そうにみかを見る。
「あれ…先輩…」みかが見つめる先に5、6人の集団がこっちへ向かって歩いてきた。
「いやいや…多すぎてわからんさ…」やこが言う。
科学室はちょうど先輩たちの歩いてくる方にあるため、みかが歩きはじめる。
「あっ…待って…」みかに続きやこが歩きだし少し遅れて私も歩きだした。
すれ違う瞬間、私はみかの好きな先輩を見たかったため少し顔あげて先輩たちを見た。
ドキッ…
一人の人と目があう…
ドックンドックン
「えみい~な。」みかが口をとがらせて言う。
「えっ…なんで…?」
「えみが目あった人が、私の好きな先輩なんよ…」
ズキッ…
「あっ…そっ…そうなんだ。カッコイイと思うよ」
苦笑いでみかを見る。
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