引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
いきなり拓に私のことを指差されて、二人の女子だけでなく私も少し驚いた。
拓…、いきなり何言ってるの!?
私の心に、緊張が走る。
だって…明らかに二人とも、私の顔を見た途端に焦った顔してるんだもん。
「そっ、そーだねぇ…」
「えーーっと…」
でもそんな二人の表情と詰まった答えに気付かない拓は…
「コイツ、俺の彼女で杉田柚ってゆーんだけど。お前ら知らね?」
「あー…、何となくはウワサ聞いたことあるよね?」
「うん、そーだね。実際見るのは初めてだからビックリしちゃった…」
私が見てても分かるくらい、あからさまにテンションが下がった二人。
…もしかして、この二人…?
「……あっ、ねーねー春休みの宿題持ってきた?私ちょっと分かんない所あったからさ、見せてもらっていー?」
「うっ、うんうん!もちろん!!私も見せてもらいたいトコあってさ〜。…あのさ、ごめんね瀬川。うちら宿題急いで片付けなきゃ!じゃーね!!」
「えっ!?おい、お前ら!ちょっと待てよ!!」
二人は示し合わせたような会話をした後、拓に気まずそうな顔を見せてその場を急いで後にした。
私は二人の気持ちに薄々気付いてしまったけど…、拓はまだ二人の態度の豹変ふりに「?」な感じだった。
「何だよ、アイツら。柚、ごめんな。友達作るんだったら協力してやろーと思ってたんだけど…」
「ううん!自分で何とかするから。ごめんね、心配させて…」