引っ込み思案な恋心。-3rd~final~





いきなり拓に私のことを指差されて、二人の女子だけでなく私も少し驚いた。





拓…、いきなり何言ってるの!?





私の心に、緊張が走る。





だって…明らかに二人とも、私の顔を見た途端に焦った顔してるんだもん。






「そっ、そーだねぇ…」



「えーーっと…」






でもそんな二人の表情と詰まった答えに気付かない拓は…






「コイツ、俺の彼女で杉田柚ってゆーんだけど。お前ら知らね?」



「あー…、何となくはウワサ聞いたことあるよね?」



「うん、そーだね。実際見るのは初めてだからビックリしちゃった…」






私が見てても分かるくらい、あからさまにテンションが下がった二人。





…もしかして、この二人…?






「……あっ、ねーねー春休みの宿題持ってきた?私ちょっと分かんない所あったからさ、見せてもらっていー?」



「うっ、うんうん!もちろん!!私も見せてもらいたいトコあってさ〜。…あのさ、ごめんね瀬川。うちら宿題急いで片付けなきゃ!じゃーね!!」



「えっ!?おい、お前ら!ちょっと待てよ!!」






二人は示し合わせたような会話をした後、拓に気まずそうな顔を見せてその場を急いで後にした。






私は二人の気持ちに薄々気付いてしまったけど…、拓はまだ二人の態度の豹変ふりに「?」な感じだった。






「何だよ、アイツら。柚、ごめんな。友達作るんだったら協力してやろーと思ってたんだけど…」



「ううん!自分で何とかするから。ごめんね、心配させて…」





< 10 / 281 >

この作品をシェア

pagetop