引っ込み思案な恋心。-3rd~final~





「私…、あの人達に抵抗して、また本気でいじめられたらどうしようとか、一人ぼっちになったらどうしようとか…、そんなことを考えていた時期があって。でも、一人でいる杉田さん見てたら、あんな人達といるよりも一人でいる方が全然マシだって…、そう思えるようになっていったの」



「そうだったんだ…」






何週間か一人でいた私を見てたからこそ、蘇我さんは「一人の方がマシ」って思ってたんだね…。






「正直、杉田さんと同じ班になれて、すごく嬉しかった。杉田さんはそうは思ってなかったかもしれないけど、一人で行動してて、私にはそれがカッコ良く映ってて。ぜひ話をしてみたいと思ってたから…」



「え?私と…?」



「うん。杉田さんは、私があの放課後に話し掛けてくれて嬉しかったって言ってくれたけど、嬉しいって思ったのは私が先だったんだよ」






知らなかった…、蘇我さんにそんな風に見られていたなんて。





私は別に何もやってなくて、ただ成り行き上一人になってただけなのに、それが「カッコいい」とまで思ってたなんて…。






「面白いものよね、人間関係って。杉田さんもクラスに友達できなくて悩んでいたんでしょ?なのにある人にはそんなことすらうらやましく映ってしまう」






それまで話を聞いていた先生が、そんなことを言った。





確かに…、ものすごく不思議。





でも、これが人と人とを引きつけて結びつける、何か神秘的な要素なのかもしれない。





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