引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
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「…あれ?もう夕方だね。集中してたら時間が過ぎるのが早いな…」
ななっぺが拓の部屋にかかっていた掛け時計を見て、そうつぶやいた。
私もななっぺと同じように掛け時計を見上げる。
…確かに、かなり時間が経ってる。
「ちょうどキリがいいし、この辺で終わりにしようよ。とりあえず解けなかった問題はみんな解決しただろうし」
「さすが柚サマ!毎度毎度ありがとね〜」
「あかねちゃん…、大げさだよ」
隣にいた笑顔のあかねちゃんから腕を組まれたんだけど、それを見ていた拓がまたあかねちゃんに文句を言ってきた。
「馬場…、俺の前で柚といちゃつくなんて、覚悟できてんだろーな」
「別に女子同士なんだからいーじゃん。友達としてのスキンシップなんだし」
「女子でもそれ以上柚に近付いたら許さねえからな!」
「まあまあ瀬川。落ち着きなって」
映美佳が間に入って拓を抑えてくれたけど、まだ拓は納得いかない表情をしていた。
とっさに映美佳は話題を変える。