引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
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「あっ、柚じゃん!柚んトコも今終わったの?」
「あゆ…?」
それでも怒涛のように始業式、HR、初授業とイベントは過ぎていき…
やっと放課後になって帰ろうと思い靴箱に向かうと、同じく靴箱に向かっていたらしいあゆに出会った。
あゆも私と同じく勉強会の女子メンバーから離されてしまったけど…、あゆの場合は持ち合わせている性格もあるし、バスケ部の仲間やY小からの友達も多くいるみたいだから、きっと私のように友達で困ってることはないんだろうな…。
「柚、うちら離された同士かなりキツイよね〜」
「え?あゆも?でもあゆは部活とか友達多いんじゃ…?」
「まぁ確かに5組に知り合いはかなりいたけどさ。どのコも表面的にしか付き合ってなかったから…、どーしよっかな〜って感じ」
「あゆでも…、悩むことあるんだ?」
「まーね。…あっ。あかねちゃんと映美佳のコト待ってんの?それまでだったら話そーよ。今日の部活は勧誘準備メインだし、それに3年になったから多少遅れても大丈夫だからさ」
「別に一人で帰ってもいいかと思ってたけど…、それじゃああかねちゃん達待とうかな。あゆと話したいし」
拓も部活があるからと一番に教室を出て行ったし、どうしようかとは思ってたんだけど…
あゆとこういう話をしていると、もっと話したくなってきてしまった。
私の言葉を聞いたあゆも、静かに笑い返してくれて、靴箱の段差に二人で腰かけた。