引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
ブーッ ブーッ ブーッ
突然ポケットに入れていた私の携帯のバイブが鳴った。
「え…、電話?」
鳴り止まないバイブに仕方なく対応すると、拓が少し物足りなさそうな顔をした。
「誰だよ、こんな時に電話とか……」
「あれ?あかねちゃん!?」
携帯の画面を確認すると、あかねちゃんの名前と番号が出てきた。
どうして…、あかねちゃんが私に?
私はとっさに通話ボタンを押して電話に出た。
「もっ、もしもし…?」
『あ…、柚?ごめんね。やっぱりさぁ、話聞いてもらいたくて。柚になら雅樹のコトちょっと話したことあったから……、今からじゃダメかなー?』
「え?今から……?」
どうしよう。
せっかく拓と二人きりになれたのに。
でも、あかねちゃんのことはものすごく心配だし…。
チラッと拓の顔を見たら、口パクで『行ってこい』と言っているのが分かった。
…拓がそう言うなら、あかねちゃんと話してこようかな。
「…うん、いいよ。今から拓の家を出るね」
『あ、まだ瀬川ん家だったんだ?じゃー、いつものM小の近くの喫茶店でいーかな?』
「分かった。すぐ行くから」