引っ込み思案な恋心。-3rd~final~





あかねちゃんとの電話を切ると、拓は微笑みながら私の頭をなでてくれた。






「俺はいいから。ちょっとだけでも柚に触れられたし。だけど…、馬場はたぶん今一番しんどいと思う。そんな馬場に頼られたんだから、行ってきてやれよ」



「ごめんね…、拓」



「気にすんなって!その代わり大会終わって落ち着いたら柚といちゃついていい?」



「…………うん…」






そんな真面目な顔でそういうこと聞かないでよ…。





また恥ずかしくなっちゃったよ。





顔が赤くなったように感じてうつむいたら、拓に顔を手で包まれて、そのまま軽くキスされた。





…更に顔の温度、上昇してるよ。。。






「馬場がどこまで話すか分かんねえけど、話せそうな範囲だったらまた電話かメールしてくれよ。俺も今日はテスト勉強しないとさすがにヤバイから」



「うん。…これ、英単語と社会と理科の用語のリスト、置いとくね」



「サンキュー。柚が作るコレ、結構出る率高いよな。丸暗記しとこ」



「じゃあ…、そろそろ行くね」



「送ってやれなくてごめんな」



「ううん。勉強頑張ってね」






拓の机の上に、英単語と用語のリストの紙を置いて、私は拓の部屋を出た。






あかねちゃん…



あかねちゃんと倉本くんの間に、一体何があったんだろう?





電話の声もやっぱり元気がなかったし…。






私はできる限り早足で、待ち合わせの喫茶店に向かった。













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