引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
「雅樹とは…、おととい別れたんだ」
「え!?おととい?でも昨日は倉本くん普通にクラスで過ごしていたような…」
「雅樹はそーゆーヤツだから。もしかしたらもー私のコトなんて何とも思ってないかも」
「そんな…。でも、何があったの?修学旅行の時からだよね?あの時のケンカが原因?」
「ケンカとゆーか…。あのさぁ、柚。こんなコト…話しにくいかもしれないけど、瀬川とはどこまで行ってる?」
「どこまでって…?」
聞かれた質問の意味が分からなくて首をかしげたら、あかねちゃんは少し私の方に乗り出す形で顔を近づけてきた。
そして小声でこう聞いてきた。
「身体の距離は?…ってコト。キスはもうした?」
「え…っ、えええ!?」
こっ、これってあかねちゃん達のケンカと何か関係あるの?
何か…、そうやってマジマジと聞かれると、めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど……。
「私はいつだったか…、言ったよね?雅樹のキスが激しいとか何とか…」
「あ…でも拓は優しくしてくれるよ」
「……ってコトは、キスはしたんだね?」
「あっ!しまった…」
何でこんな簡単な誘導尋問に引っかかっちゃったんだろう…私。
さっきも拓とキスしてからこっちに来たせいかな、浮かれ気味になってるな、私も……。