引っ込み思案な恋心。-3rd~final~





ななっぺが私の隣に靴を置いて履いていると、4組の人達らしい人混みの中から映美佳とあかねちゃんも顔を出してきた。






「柚!待っててくれたの?ごめんね、遅くなって」



「ううん。さっきまであゆと一緒だったから…」



「あゆがいたんだー?話したかったな〜。てか柚ごめんね。私倉本と帰る約束しちゃったから。また明日、一緒に登校しよー」



「そっか。また明日ね、あかねちゃん」



「バイバーイ♪」






あかねちゃんが楽しそうに靴箱を後にするのを呆れた顔で見送ったななっぺと映美佳は、次の瞬間に心配そうな顔を私に見せてきた。






「もう、あかねちゃんってば。…まあ彼氏と帰りたい気持ちは分かるけどね…」



「しょうがないよ。柚、私と一緒に帰ろうよ。ななっぺはどうする?」



「柚がクラス一人で離れたって聞いたから心配だったんだけど…、映美佳にまかせようかな。…あっ、そうだ。私も携帯電話買ったんだ。もし良かったら連絡先交換しようよ、柚」



「え?ななっぺも携帯買ったの?うん、交換しよう!」






するとななっぺは制服のポケットからライトグリーンの二つ折り携帯を取り出して、ボタンを何回か押して操作を始めた。





私もスカートのポケットからゴールドピンク色の自分の携帯を取り出して、赤外線の準備をする。






「えっと…、赤外線はココから出るんだよね?…これで送信。どう?柚の携帯に入った?」



「うん。バッチリだよ」






そのまま私のデータもななっぺの携帯に送信して、連絡先交換は完了。





また一件増えた電話帳をまじまじと見ていたら、映美佳に携帯を閉じられてしまった。






「先生に見つかるとヤバイよ、柚。学校出てからね」



「ごめん、映美佳…」





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