引っ込み思案な恋心。-3rd~final~





あかねちゃんが落ち込むのも分かる気がする。





最後までさせてもらえないから別れるなんて、倉本くんはあかねちゃんのこと、今までどういう目で見ていたんだろう…?






「ごめんね、柚にはキツかったでしょ?でも話せる人、彼氏がいる人ぐらいじゃん?ななっぺもいるけど、正直こーゆー話はあまりしてなくてさ…」



「でも…、ななっぺにも話した方がいいんじゃないかな?」



「いや、ななっぺを信じてないわけじゃないけど…もしみんなに伝わって、雅樹を悪者扱いするのだけは止めてほしーんだ」



「え…?」



「あんな彼氏だったけど、私は今でも雅樹のコト想ってるから。さすがに当分吹っ切れそーにないよ」






そう言って、ようやくキャラメルミルクティーに口を付けたあかねちゃんを見てると、その言葉は本心から出ているんだなと素直に思えた。






何て表現したらいいんだろう…?




いまだに恋をしているあかねちゃんって感じに見える。





でも確かに最初に好きになったのはあかねちゃんの方だったし、吹っ切れないのも無理はないよね…。






「私からななっぺに頼んでみるよ。『倉本くんを悪者扱いしないで』って。だから、ななっぺにも相談してみたらどうかな?せっかく同じクラスなんだし。それにななっぺも口は堅いと思うけど…」



「うーーん。私は柚に聞いてもらえただけでもかなりスッキリしたけどね。まー…、考えとく」



「私じゃホントに話を聞くことぐらいしかできなかったから…。もしかしたらななっぺなら何か言ってくれるかもしれないし」



「ありがとね。気持ちだけでも嬉しーよ、柚」






あかねちゃんはやっと微笑んでくれたけど…





本当に私以外の人には言わないつもりなのかな?





何だかそれも寂しい気がした。













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