引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
「でも1年の時とは状況が違うじゃん。あの時は別のクラスの友達なんて、私ぐらいしかいなかった。だけど今は別のクラスに友達が4人もいる。しかも瀬川や倉本とは同じクラスでしょ?…まあ倉本はあまり役に立つとは思えないけど」
「うん…。話せる人が同じクラスにいるもんね。拓がいるのといないのとじゃ、不安の度合いが全然違うかも…」
「でしょ?女子の友達なんて二の次でもいいよ。同じクラスに柚のコト理解してくれる女子がいなくても、うちらがちゃんと柚のコト分かってるし」
「ありがとう、映美佳…」
「まあ、焦って合わない友達と仲良くなってもどうせ上手く行かないし、こういうのは縁だからね。自然に見つかるよ」
あゆにもさっき、地道に頑張ればいいと言われた。
やっぱり…、無理に友達を探そうとしない方がいいのかな?
もしかしたらこのままずっと女子の中では一人浮いた状態になってしまうかもしれない。
それでも…、クラスには拓がいてくれる。
倉本くんもいるし……
休み時間や放課後になれば、映美佳達とも話すことができる。
今まで関係を築き上げてきた勉強会の仲間が、私にはいるんだ。
クラス替えをしてゼロに戻ったかもしれないけど、きっと…完全なゼロではない。
そう信じて、私は3年1組の中で過ごしていこうと思った。
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