引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
「いつも通りにしてたつもりなんだけどな〜。だって、万が一雅樹に元気ないトコ見られたら、何か悔しーじゃん?」
「でも…、倉本くんがいない所でなら、弱音吐いてもいいんじゃないかな?」
「うん…、そーだね。ごめんね、柚に心配かけてるみたいで」
「ななっぺも映美佳も心配してたよ。私も正直、あかねちゃんがこんな一人で無理するとは思わなかったし…」
「ごめんごめん。今日はちゃんと話すから。柚もさっきの話、ぶっちゃけトークだからね!」
「分かったよ」
良かった…。
私の思い、届いたみたい。
少しホッとしてやっとアイスティーの一口目を口にすると、あかねちゃんの方から口を開いてきた。
「いきなりたった一言で別れるって言ってもさぁー、そんな簡単に納得できるわけないんだよね」
「うん、そうだよ。『冷めた』なんて、理由になってないよ」
「勉強しなきゃとは思っても全然ダメ。気付くと雅樹のコトばっかり考えてる。同じ塾にしたのも失敗だったかなー。雅樹のコト意識しないわけにはいかない。でも親に何て言って説得すればいいのか分かんなくて…」
「別れたら余計に気になっちゃってるんだね…」
「どーすればいーんだろ?柚は塾で雅樹と同じクラスなの?私について何か言ってた?」
「え…?」
確かに倉本くんからあかねちゃんのこと聞いちゃったけど…、あかねちゃんに言っても大丈夫なのかな?
余計にあかねちゃんが傷つくんじゃ…?
たぶん倉本くんもそう思って、何も言わずに別れたんだろうし。
すると、何も言わない私に痺れを切らしたあかねちゃんが私を急かしてきた。