引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
「ねー、どーなの、柚?柚なら雅樹と同じ空間にいることが多いし、何か知ってるんじゃないの?」
「でも…」
「なんでもいーから教えてよ。どんなコトでも…、受け止めるから」
あかねちゃん…
私の態度に、覚悟を決めちゃったのかな…?
急に真剣な顔をしてきたから、私もそんなあかねちゃんにきちんと向き合おうと思った。
「ホントに…、大丈夫?」
「うん。知ってるなら教えて。じゃないと私が前に進めないから」
「そこまで言うなら…」
私はアイスティーを飲んで、少しため息をついてからあかねちゃんの顔を見た。
あかねちゃんはまだ真剣な顔をして、私の方を見つめていた。
「キスとかそういうことをしたのは、最初はあかねちゃんのことを好きになれそうだからした…って言ってた」
「…うん。それで?」
「でもだんだんとそれが癖にしか感じなくなってきちゃって…、最終的には勉強のストレスの発散にしかなってなかったみたい」
「…え?」
やっぱりこんな話、あかねちゃんにはショックなんだと思う。
あかねちゃんの目が見開いたかと思うと、急に大きなため息をついてきた。
「…ごめん。じゃーその時にはすでに雅樹は私のコト好きになれそーになかったってコト…?」
「うーーん。…というか、気付いたのは修学旅行の…あの時なんだと思う」
「ああ〜。トイレで襲われそーになった時に?」
「あの時…、あかねちゃんの気持ちを考える余裕なんてなかったみたい。『何で嫌がる?断る?』って気持ちしかなかったって言ってた」
「そーだったんだぁ…」